母子手帳とエコー写真と
妻が産婦人科に行ってきた。
帰るなり
「手洗い、うがい、しっかりして」
何や、何かあったんか。
「風疹の予防接種、受けてほしいねん」
聞くと、妊娠22週までは、母が風疹にかかると、流産のリスクが高いらしい。20代で予防接種は受けてたらしいけど、検査で陰性、つまり抗体なしと出た。
ところが、妊婦は予防接種受けられん。
すると、直近の感染源である夫が接種対象に。
マジでか。
「夜7時までに産婦人科に行って」
いやいや、仕事早く終われへんけど。
と、診察券を見ると、土曜の午前中もやってる。
明日、行くっきゃない。
「予診票に記入して」
と、渡された用紙の問診欄に記入していると、
ん?妻が持ってるあれって、
母子手帳やん!
母子手帳を見せもらう。
たくさんのページ、たくさんの項目。
妊娠状況も自分で記録できるようになってる。
妻は、何と書いてるんやろか。
「つわりにより、とてもしんどかった。
11週からウソのように治った」
2行でまとめてしもてる。
小学生のイヤイヤ日記か。
他にも、検査結果の記録や、赤ちゃんが産まれた後のことも書いてあった。
母子手帳ってこうなってんのか。
さらに、もう一冊のフォトアルバムに目が留まる。
それって、エコー写真?
わが子のエコー写真。
以前、見た写真の後に、数枚増えてる。
「前の分と、今日の分」
前のとき撮影してたんかい。
なら見せてくれればええのに。
豆粒ほどやったわが子は、
何となく、人型の影。
でも、かすんでぼやけてよう分からん。
「ブレてるのは、踊ってるからやって」
腹の中で踊ってる??
そう言われたら
笑顔でくるくる回ってるみたいに見える。
2枚とも、ブレブレ。
陽気なやっちゃ。
そして、今日のエコー。
ん?白黒やし、よう分からん。
「胎盤を抱き枕にして寝てるんやって。
これが頭で、体で足」
妻が写真を指差して説明してくれる。
おお!見えた!
これぞアハ体験。
丘状の胎盤にうつ伏せになってる!
右横から撮った写真やから、
シャリに乗る寿司のネタみたいな格好。
手足が伸びて、人形劇の人形よろしく、だらーんと脱力感満載。
見たことある図やと思ったら、
ヨギボーにうつ伏せ寝の妻そっくり。
こんなとこから親子は似るんか。
「産婦人科の先生が起こそうとして、お腹をたたいたら、この写真」
最後の写真は、余計に分からんことになってる。
「頭、体、この辺が足。手が見えないけど、指吸ってんのかなって言ってた」
もうそんな感じなんや。
あっと言う間に、こんなに成長したなんて。
妻の中に、ほんまにもう1人いるんやなぁ。
今回は、男女の判別ができんかったみたいやけど、てことは、女の子かな。男は一発で分かるって言うし。
まぁ次回には分かるやろうし、
あんまりイメージしすぎんとこ。
にしても、誕生まであと半年もあるんか。
なんか、実感わいて嬉しくなってきたなぁ。