ポコ太の思考
ポコ太は、昼間けっこう動く。
対して夜になると、全然やと言う。
今日の昼間も、盛んやったとか。
「びっくりするくらい強く蹴られた」
どの辺か聞くと、お腹の上の方。
てことは、逆子が元に戻ってんのかも。
戻ってなければ、パンチかもしれんけど。
ポコ太にとって、今いる子宮が世界の全て。
この世界のことは、何も知らん。
鳥の雛が殻を中からつつくがごとく、
ポコ太も子宮が自分の知る全て。
何を考えてるんやろう。
なんか音が聞こえるなぁとか。
寝心地悪いなぁとか。
いや、
ネゴコチなんて言葉すら知らんのや。
言葉を認知してない胎児には、
思考も備わってない気がする。
ただ、ぽけーっとして、
動いてみたり、寝てみたり。
そんな毎日を送ってるんやろう。
いつか、生まれてくることも、
知らんのやろうなぁ。